先延ばし癖(PCN症候群)の改善にカウンセリングはとても有効です。このページをご覧いただき先延ばし癖を改善させるための手段として、カウンセリングをひとつの選択肢としていただけますと幸いです。先延ばし癖は決して「なおらない」というものではありません。
当カウンセリングサービスは、先延ばし癖(PCN症候群)や逃げ癖改善を専門としてカウンセリングを行っております。「自分ひとりでは改善することができない」とお困りの方は、お気軽にご相談ください。
先延ばし癖はご自身の改善意欲さえあればなおせるものです。なぜなら先延ばし癖がなおせるか、なおせないかは外的要因や運に左右されるものではなく、ご自身の意思で決められることだからです。「やる」と「やらない」のたった二つの選択肢の中から「やる」を選びさえすれば、先延ばしは起こらないのです。
「先延ばし癖は一生なおらないものだ」なんて諦める必要はありません。先延ばし癖を改善させる方策はいくつかあるはずです。まずはそれを一緒に見つけていきましょう。先延ばし癖の改善については、反射的にしてしまう先延ばし行動を含めても不可能なことではないと考えております。
※業務過多による仕事の遅延は先延ばし癖が原因であるとは限りません。ご自身の置かれている状況をよく確認してみてください。業務を抱え過ぎて必然的に業務が溢れてしまっているという状況ですとカウンセリングで話し合うべきことは限られてきますが、怠惰な気持ちが仕事の遅延につながっていたり、NOと言うことや、まわりの人たちにSOSを出すことへの抵抗が業務過多の原因である場合は、カウンセリングが役に立つと思います
みんな同じような振る舞いに見えてしまう先延ばし癖。しかし実際のところ先延ばしの振る舞いは個別性のあるもので、その中身は多種多様です。「先延ばし癖=怠け癖」というわけではありません。
先延ばしとは「何らかの理由により、課題への取りかかりや完了を遅らせること」です。先延ばしは日常的に誰もが経験するものですが、この振る舞いによって何らかの利益を得たと自分が感じられた場合には、その先延ばし行動が習慣化することがあります。これが先延ばし癖(PCN症候群)というものです。
先延ばし癖にはいろいろな原因があって、いろいろな事情が絡んでいたりするものです。中には問題視すべき先延ばしでなく、より良い結果を得るための戦略的な先延ばしもあったりします。
ここでは問題視すべき先延ばしについて説明していきたいと思います。つまりトラブルを招く可能性がある、あるいは自分がそれを「良くないこと」、「改善すべきこと」として認識している先延ばしについてです。日常生活の中で起こり得る先延ばしはまさに多種多様です。
〇やらなくてはいけないことはわかっているのに、どういうわけか取りかかることができない
〇優先順位を無視して簡単な課題にばかり取りかかり、多くの労力が必要な課題をいつもあとまわしにしてしまう
〇計画的に取り組むことが難しく、期日までに課題を完了することができない
〇できる限り楽をしていたいがために、「土壇場で片付けられる」という自らの能力に依存してしまい、ギリギリにならないと課題に取り組めない
〇やりたいことがあるのに不安にかられ、始めることができない
〇あとで大変なことになるとわかっていても、なぜか課題から目を背けてしまう
〇課題に取りかかっても、気がつくと別のことをしている
〇気力がなく、課題に取りかかることができない
〇今やっていることをやめて課題に取りかからなくてはいけないのに、今やっていることをやめることができない
〇課題に取りかかることはできるけど、すぐにやめてしまう
みんな同じように見える先延ばしの振る舞いには個別性があります。そのため正しい方向性で先延ばし癖改善の取り組みを行っていくために、その先延ばしの振る舞いをよく観察し、その特徴や原因や意味を正確に理解する必要があります。先延ばし行動の原因を明確化することが先延ばし癖を改善させるための始まりとなりますが、これを見つけられずにいる方も多いと思います。
なお、「不登校」や「仕事の休み癖」など、先延ばし癖というよりは逃げ癖といった回避行動につきましては、怠惰による逃げ癖、あるいは不安による回避行動としてその振る舞いを捉えるべきだと考えます。
カウンセリングにおいて、先延ばし癖を改善させるためにすべきことは下記の三つであると考えております。
①自らの先延ばし行動を自らがよく理解すること(自己理解)
②自らの先延ばし行動を改善させるために自らがどうあるべきかを考えること(自分の扱い方の理解)
③「自らがどうあるべきか」の答えに従い自らが行動すること(自分の扱い方の体得)
先延ばし癖のカウンセリングは「話し合い・実践・継続」によって構成されます。セッションは作戦会議のような場となり、「クライエント様が作戦会議で導き出された作戦を日常生活の中で実践し→その実践結果をクライエント様が次のセッションに持ち帰り→その実践結果をもとに作戦会議を行う」といったサイクルでカウンセリングは進められます。
このサイクルが基本となりますが、先述の通り、先延ばしの振る舞いには個別性がありますので、カウンセリングスタイルはこの限りではありません。例えばカウンセリングを行う中で何らかの心理的な障壁に直面し、先延ばし癖改善の取り組みで立ち止まりが生じた場合には、その心理的な障壁を解消するための話し合いをじっくりと行うこともあります。そういったことはカウンセリングの過程でしばしば起こり得ることです。
先延ばしの特徴や原因を理解することは、先延ばし癖を改善させる上でとても重要です。当カウンセリングサービスの考える、先延ばしの特徴や原因について簡単に説明させていただきます。
先延ばしの特徴は大きく分けて三つに分類できると考えます。
〇意図的で自発的な先延ばし
「今日は疲れたから明日やろう」、あるいは「完璧にできなければやる意味がない」などの考えにより課題の開始や完了を遅らせます。この先延ばしには、「今日は楽をしたい」や「失敗したくない」などの狙いが存在し、本人の意思によってそれを「やらない」と決断した結果として起こる先延ばしです。
〇自らの意図に反した先延ばし
例えば「課題を期日までに終わらせようと努力して取り組んでいたにもかかわらず、期日内の完了に失敗してしまった」などがこれに当たります。この先延ばしは、本人が「課題に取りかかろう」、あるいは「課題を完了させよう」と考えていて、課題を「やらない」と決断していないという点で、「意図的で自発的な先延ばし」とは決定的に異なります。
〇無意識の先延ばし
「気づいたら先延ばしをしていた」などがこれに当たります。例えば、「課題に取り組んでいる最中に、いつの間にかその課題とは別のことを始めてしまった」や「課題をすっかり忘れていた」などが挙げられます。
先延ばしの原因とはつまり、「物事に取り組ませないようにしている何か」です。よって、この原因を解消することが先延ばし行動の改善につながると考えます。
〇怠惰
課題が「大変そう」、「つまらなそう」、「面倒くさそう」などと思えて課題に取りかかることが困難となり、結果として課題の開始や完了を遅らせます。
〇不安
「上手くいかなかったらどうしよう」などといった不安な気持ちが、課題の開始や完了を遅らせます。
〇不健全な自律性
「他者からの要求に縛られずに、自分自身の方針を決定できる自由」という不健全な解釈の自律性を頑なに守ろうとすると、自分の思い通りに課題に取り組めない状況へ強くフラストレーションを感じ、他者から求められる計画に従って課題に取り組むことが難しくなります。
〇迷い
「どちらがいいか」、「何にしようか」といった迷いが課題の開始を遅らせます。頭の中を整理し、迷いが解消され、決断できなければ行動に移すことができないため、いつまでも立ち止まってしまい、土壇場な状況が訪れるまで前に進むことができません。
〇不注意
簡単に気が逸れてしまい、課題とは別のことに注意が向いてしまいます。それはつまり、その時点で知らぬ間に先延ばしをするという決断(別のことをやろうという決断)をしているということです。
〇技術不足
課題を完了させるための技術が不足しているため、課題を上手く完了させることができません。例えば、計画を立てて行動するという技術が不足している場合には、課題に対して何から手をつけていいのかわからず、何も進ませることができないということもあります。また、「課題を楽観的に捉えてしまいがちで、期日までに課題を完了できないことが多い」といったケースは、課題のボリュームを見積もることの技術不足として捉えることができます。
〇多忙
最優先課題が複数存在し、順序立てて課題に着手することができず、結果として次々と課題が先延ばしになってしまいます。業務過多はこれに当たります。なお、課題の優先順位づけを自らの「好き嫌い」の評価によって決めていたり、あるいは頼まれた業務はどんな状況であれ断ることができないと考えていたり等、自らの思考が業務過多の原因となっていることがあります。
(身体化)
課題に取りかかろうとすると、動悸、過呼吸、腹痛、吐き気等の症状に見舞われ、課題に着手することが困難になります。ある特定の課題に取りかかる際に、これらの症状が現れる傾向があります。なお、この身体化は原因ではなく結果としての症状なので、この症状を引き起こす原因を明確にすることが肝要です。
先延ばしの特徴や原因を把握した上で、「その先延ばし行動が何を物語っているのか」を理解することが肝要です。これを理解することによってカウンセリングの方向性が決定づけられます。
〇依存
「誰かが助けてくれるだろう」などの思考による自主性あるいは主体性の欠如により、他者に頼ることなく自ら課題に取り組むことができません。
〇現実逃避
「目の前のことを忘れ去りたい」、「現実から目を背けたい」などといった非論理的な気持ちが、課題の開始や完了を遅らせます。心が現実から逃げている状態なので感情をコントロールすることが難しく、課題を放置するなどしてそれを「なかったこと」としようとしてしまうため、目の前の現実に向き合うことができなくなります。
〇完璧主義
「きっちりと完璧に仕上げなくてはならない」という思考が極度に課題の取り組みに対するハードルを高めてしまったり、「完璧に仕上げることができないのであればやる意味がない」などの思考が課題への取り組みを阻害します。
〇先延ばしの正当化
その課題が今自分にとっての最優先課題であることを自覚しているにもかかわらず、「そうだ、あれもやらなければ!」などと言って、本来取りかかるべき最優先課題とは別のことをしてもいい状況を作り出し、先延ばしをする自分を正当化します。つまりそれは「先延ばしをしていい」理由を探し、先延ばしの免罪符を手にするということです。
〇可能性の保存
難易度が高いと感じる課題に取り組まずに、「その気になれば自分はその課題を完了することができる」という自らの可能性を保存しようとします。課題に取り組んだ結果の失敗は「自分にはやれる」という可能性を消滅させるので、やらないことによって結果を出さずに、やれる可能性をいつまでも保存しようとするのです。
〇先延ばしへの恐怖
課題に向き合おうとする際に、「また自分は先延ばしをしてしまうのではないか?」といった思考が不安や恐怖を生み出してしまうことがあります。「また先延ばしをしてしまうことが怖い」と思うようになり、課題への取り組みに対して強いプレッシャーを感じるようになります。結果として自らを、課題から目を背けざるを得ない状態に陥らせてしまうことがあります。
〇意欲低下
課題に取り組むことができない、あるいは課題を上手く完了させることができない自分に対して、自己嫌悪や罪悪感などのネガティブ感情を強く抱いた結果、気分が落ち込み、課題に取り組む意欲が低下してしまうことがあります。また、自らの先延ばし行動とは全く関係のない悩み事などが招く意欲低下や、精神疾患(うつ病など)による意欲低下もあります。
〇「あとまわしにする」という決断(楽観的決断)
不適切な価値観や状況認識による計画や無計画によって「今やらなくてもまだ大丈夫だろう」と決断をした時点で、それは先延ばしであると言えます。
〇反抗・攻撃
先延ばしをすることで他者を困らせます。この反抗・攻撃行動には、「自己防衛」や「歪んだ自己主張」などが背景に存在します。これは何かの目的を達成するための手段としての先延ばしです。
先延ばしとは誰もが日常的に経験しうるもので、その振る舞いの全てが問題視すべき先延ばしというわけでもありません。例えば、課題への取り組みに対する健全な価値観と適切な状況認識ができていれば、先延ばしを戦略的に行うことで良い結果を得られることもあります。
問題視すべき先延ばしとは、ご自身にとって「良いことではない」と感じられ、「改善したい」と思えるようなものです。「いかなる場合も先延ばしをしてはならない」と考える必要はないと思います。例えば、「これはすぐにやらないといけないな」と思うことだけすぐにやれるようになれば、問題はそれほど起こらないでしょうから。
なお、問題視すべきほどではないけれど、自分の伸びしろと感じる先延ばしエピソードをカウンセリングで扱うことはもちろん可能です。
先延ばしには大きく分けて、「心理的な問題による先延ばし」と「技術的な問題による先延ばし」があります。実際のところ、カウンセリングではそれら両側面に着目して先延ばし癖の改善を目指していくことが多いです。
心理的な問題が先延ばし行動の原因となっている場合には、その心理的問題を解決させることが必要です。なぜなら、先延ばし行動を生み出す心理的問題を解決しなければ、先延ばし行動は解消されないからです。
技術的な問題が先延ばしの原因となっている場合には、不足している技術を習得する、あるいは不足している技術を補うことが必要です。
ここで言う「不足している技術を補う」とは、先延ばしをしないで済む自分にフィットした取り組み方を構築し、それを機能させるということです。例えば、「うっかり忘れ」によるスケジュール管理の苦手により業務の先延ばしが頻発してしまうというケースでは、タスクを忘れないようにするために、抱えているタスクをことあるごとに確認できる仕組みを作り、それを機能させるべく取り組んでいくなどのようにです。
なお、技術的な問題による先延ばしは、ADHD(注意欠如多動症)特性のある方だけに該当するというものではありません。先延ばし癖の多くは、「気の乗らないことに取り組むこと」の練習不足であるがゆえの技術不足であることもあるからです。
先延ばし行動を表面的に捉えるのではなく、その先延ばし行動を「そうせざるを得ないのだ!」というクライエント様の訴えとして捉えることがとても重要だと思っております。その視点から先延ばし行動を見つめてみると、その先延ばし行動をクライエント様の体験している世界により近づいて感じることができるようになるからです。
ときに、クライエント様が先延ばしせざるを得ないほどの、何らかの脅威を感じていることがあります。その脅威を減らして「それをしても大丈夫だ」と思えるほどの安全を感じられるようになれば、劇的に先延ばし行動が改善されることがあります。先述した「その先延ばし行動は何を物語っているのか」という視点を持つことは、カウンセリングにおいてクライエント様とカウンセラーを助けてくれるのです。
先延ばし癖改善カウンセリングで行うべきことは、自己理解を深めることで自分の傾向性を理解し、自分の扱い方を習得することだと考えております。自分の扱い方を習得できると、この厳しい世の中を上手く生き抜いていくために必要な逞しさを手にすることができます。カウンセリングの経験がより良い人生を創造するきっかけとなりますことを願っております。
カウンセリングを受けることに不安や抵抗を感じられる方には、オリエンテーションプランをおすすめします。カウンセリングを開始する前にオリエンテーションを行うことで、より具体的なカウンセリングのイメージを持つことの役に立つと思います。
また、怠惰の先延ばし癖改善のための個人向けオンラインセミナーも行っておりますので、カウンセリングを受けることに躊躇いを感じる方は併せてご検討ください。セミナーで使用している教材は先延ばし癖や逃げ癖改善に役立つ実用書ページにてダウンロード販売もしております。
先延ばし癖の克服が実現できますように。よろしければ私がそのお手伝いをさせていただきます。一緒に力を合わせて取り組んでいきましょう。
※精神科・心療内科へ通院されている方は、必ずカウンセリングを受けることに対して医師の承諾を得てからお申し込みをされますようお願いします
カウンセリングは完全予約制となります。
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〇先延ばし癖・逃げ癖改善カウンセリング(90分セッション)
出張形態 14,300円(税込み)
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