課題に取り組みやすくするための工夫

 「課題をやらなければいけないと思っているのに取りかかることができない」。これは先延ばし癖や逃げ癖の典型的な症状です。でもこのような症状をお持ちの方の中には「課題にちゃんと取りかかれることもあるんだよなぁ」なんて思う方もおられるのではないでしょうか?

 

 そうなのです。全てのことがやれないわけではないのです。ちゃんとやれることもあるのですね。

 

 課題を「やれるとき」と「やれないとき」、その違いは何なのでしょう?そんなことについて考えてみることは、先延ばし癖や逃げ癖の改善を考える上で大切なことです。ここでは課題に取り組みやすくすための工夫を考える際のポイントをお伝えします。

課題を「やれるとき」と「やれないとき」の条件を知る

 課題を「やれるとき」と「やれないとき」で、それぞれいつも共通して言える何らかの条件があるはずです。例えば「やれるとき」には「それを楽しいと感じること」という条件が必要であったり、一方で「やれないとき」には「それに全く興味がないこと」という条件があったり。

 

 自分の嗜好だけでなく、環境が影響していることもあるでしょう。例えば誰かに監視されている状況では「やれる」、誰もいない状況では「やれない」など。

 

 このような条件を「やれるとき」と「やれないとき」のそれぞれについて考え、いくつか挙げてみてください。自分をより良く知るための良い機会です。自分の行動を改善させるために、この機会に自分のことをより深く理解してみてはいかがでしょう。

課題に取り組む価値がどうであるか

 その課題に取り組む価値がどうであるか?例えば、その課題を「自分にとってあまり意味のないもの」と考えているのであれば、それに取り組むということに価値を見出すことができなくなるでしょうから、意欲は高まりづらくなります。

 

 逆に「この課題は取り組む価値がある」と感じられれば、もちろんその課題に取り組む意欲は高まります。

課題に対する重要度がどうであるか

 「最低限」はできるけど、「最低限以上」ができないと感じられる方もおられるのではないでしょうか?例えば、「学校の授業は受けることができるけど、宿題をやることができない」、あるいは「学校の宿題はできるけど、予習復習ができない」など。これは課題について自分がどう評価しているか、つまり自分にとっての重要度がどうであるかという話ですね。当然、自分にとって重要度の低い課題に対しては取り組む意欲も湧きづらいです。

課題の緊急性がどうであるか

 もし課題の先延ばしや回避をしばしば行ってしまっているけど、「今なんとかなっちゃってる」とか「とりあえずこれで今問題は起こっていない」などと感じておられるのでしたら、その振る舞いを続けることによって訪れる未来を予測してみると良いでしょう。その結果、緊急性を感じて課題に取り組む意欲が自然と高まることもあると思います。

課題に取り組みやすくするためのポイント

 条件(嗜好や環境)と評価(価値・重要度・緊急性)。この二つが課題に取り組みやすくするための工夫を考える際のポイントになります。必要以上にストレスを感じることなく、スマートに課題に取り組めるようになるといいですね。