他のことに気をとられてしまい課題に集中できず、結果として課題を期日までに終わらせることができないといった先延ばしや、課題に取り組もうとしても、段取りが頭の中で整理できずに何から手をつけてよいものかわからなくなってしまい、結果的に先延ばしをしてしまうなどの心理的な問題以外の先延ばしを解消させるには、その先延ばしを未然に防ぐための具体的な対策を検討することが必要です。
先延ばし(PCN症候群)は個別性を持ったものであり、カウンセリングは「この症状にはこの対策を」などのようにシンプルなかたちで行われるものではありません。カウンセラーはクライエント様のお話に注意深く耳を傾け、クライエント様の置かれている状況や症状等をしっかりと理解した上で、クライエント様が先延ばしをせずに済む方法をクライエント様と共に検討していきます。
また、心理的な問題以外の先延ばしに関するお悩みとは言っても、実際のところは心理的な負担も抱えてらっしゃる方は多いと思います。例えば先延ばしを繰り返してしまい、「また私のせいでまわりの人に迷惑をかけてしまった」と罪悪感に苛まれたり、「いつも同じ失敗を繰り返す私はダメな人間だ」と自己卑下してしまったりなどです。そのような方にはまず最初に、その心理的な負担を軽減していただけるよう話し合いを進めます。このような場合には、心理的な問題を解消させてから実用的な問題について話し合うべきだと思うのです。心理的な問題を解消させ、エネルギッシュな気持ちで実用的な問題について話し合えば、より有意義なカウンセリングを行うことができると思うからです。
先延ばしを未然に防ぐための具体的な対策を検討する上で重要なことは、その対策が現実的で実行可能なものであるということです。セッションではまず、その点について重点的に話し合っていくことになります。二人で考えていけば何らかの対策を見つけ出すことができるものです。そして何らかの対策を見つけ出すことができたら、それを実践してみて、その結果がどうであるか様子を見てみるのです。大切なのは継続的な実践です。
もしその実践で良い結果が得られなかったとしても、そこで終わりということではありません。結果が良い悪いに関わらず、その結果は二人で検討した対策をクライエント様ご自身が実践したからこそ得られた貴重なデータとなります。良くない結果はできたら避けたいところですが、そこから得られる有益なデータは多いです。実践から得た上手くいかなかった経験をもとに、二人で検討した対策をアップデートし、再度実践するのです。その後また上手くいかなかったとしても、同じサイクルで取り組んでいけば良いのです。作戦会議をして実践するのサイクルです。
結果というものは良いものと悪いものと二つあるわけですが、悪い結果には良い結果を得るためのヒントを与えるという役割があります。そう考えると、悪い結果は悪いことばかりではありません。そして、良い結果も悪い結果も、実践すること以外に得る方法はないのです。つまり、実践しないことには何も始まらないということですね。
そうやってカウンセリングを通じて、ご自身のキャラクターに適した先延ばし対策法を開発し、ご自身を進化させていくのです。その過程で成功や失敗の経験を積み重ねながら、ご自身の進化を実感することができると思います。決して楽しいことばかりではないでしょうけど、辛いことばかりというわけでもないと思います。
とりあえずやってみることだと思います。先延ばしのお悩みがなくなったとしたら、その先どんな人生が待っているのかを考えてみてください。多くのことができるようになるのでしょうね。
先延ばしの改善は人生を変えるのです。なぜなら、先延ばしの改善が才能の開花につながるからです。
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