誤まった認識による成功体験

 先延ばし癖や逃げ癖の克服へ向け、成功体験を積み重ねていくことはとても大切です。この成功体験は自分に大きな自信を与えてくれるので、自己肯定感を育ててくれることでしょう。

 

 まずは自分にとっての「良い成功体験」と「悪い成功体験」を識別できるようになる必要がありますね。例えば、課題に取り組むことから逃げることで、その場を上手くやり過ごしたことを「良い成功体験」と認識してしまうのはよくありません。先延ばしや回避行動の習慣化は、そういった誤まった認識による成功体験の積み重ねによる結果であるとも言えます。

 

 その成功体験がどうして誤まった認識であると言えるのか?それはその先延ばし行動や回避行動の結果が教えてくれます。先延ばし行動や回避行動は続ければ続けただけ、その課題への取り組みに対する不快感を育ててしまうのです。結果として状況をより深刻なものとしてしまうのですね。これは不健全であると言わざるを得ません。それゆえ誤った認識による成功体験と言えるのです。

 

 成功体験とは、自分が「それをやる」と決めて、それに正面から取り組み、それを成し遂げたときに使える言葉です。課題を避けることなく取り組むことで得られるものは大きいです。「なんだ、そんなに大したことではないじゃないか」とか、「やればなんとかできてしまうものなんだ」とか、実際に今まで避け続けてきた課題に取り組んでみることで初めて発見できることも多いと思います。それら健康的な発見の積み重ねが、自らの自信を形成してくれるのです。更に、この経験が課題に正面から取り組むことの練習となるので、この練習を継続していくことでその取り組みに慣れていくことができます。それに慣れてしまえば、それはもはや大したことではなくなってしまうのです。