カウンセリングを受けることで自分はどんな利益を得られるのか?カウンセリングを受けたことのない方にとって、そこは気になるところだと思います。
このあとカウンセリングの大まかな流れをご説明しますので、その中からご自身で「カウンセリングで自分が得られる利益」を探してみるようにしてくださいね。
どうしてこんな言い方をするのかと言いますと、カウンセリングで得られる利益って、人それぞれ違ったものだと思うからなのです。例えば「カウンセラーに話を聴いてもらうこと」が利益と感じる人もいれば、それを利益と感じない人もいますよね。
「今抱えている悩みを解決すること」が一番の利益であることは間違いのないところですね。ここではそれ以外の利益について考えてみましょう。
まずはカウンセリングの目標を決めます
私はクライエント様の主訴をお聞きしたあとに、「このカウンセリングであなたはどのようになりたいのか?」ということを必ずお尋ねます。それはできるだけ具体的なものであると良いです。なぜならそれをカウンセリングの目標として設定したいからです。例えば「先延ばし癖をなんとかしたい」といった抽象的なものではなく、「毎日2時間の勉強を習慣化する」などのように。
具体的な目標を設定することができれば、その目標達成をカウンセリングのゴール、つまりカウンセリングの終結と考えることができます。セッションはその目標を達成するための話し合いの場となるのです。もちろんカウンセリングの大目標や中目標、小目標などを設定し、段階的に目標達成を目指していくこともあります。
目標達成を信じる気持ち
カウンセリングの目標が決まったら、カウンセラーとの会話を通じてクライエント様が「私はこの目標を達成することができる」と信じることができるようになると良いです。これは良いカウンセリングを行うための条件のひとつと私は考えているため、通常はカウンセリングの初回に行うインテーク面接でこのことについての話し合いを行います。
ちなみにこの話し合いは、カウンセラーがクライエント様にその目標達成を信じることを押し付けたりするものではありません。そもそもその目標とは現実的なものを設定することになるので、その話し合いも現実的なものとなります。例えばクライエント様がその目標に対して「できそうに思えない」と考えるのであれば、「なにが原因でできそうに思えないのか」を明らかにしたりします。その原因が明らかになれば、「できない」を「できる」にするためのいくつかの具体的な方策を検討していくことができますよね。
カウンセリングの目標達成を信じる気持ちは、カウンセリングを開始するにあたり、とても重要な意味を持ちます。この目標達成を信じる気持ちは、①それに向けての行動を実際に開始するかどうか、②その行動についてどのくらい努力を継続するか、③困難に直面したときにどのくらい耐えられるか、ということを決定づけます。
よって、カウンセリングの目標は自分にとって魅力的であるべきです。魅力的な目標は、それを自分が強く信じることを後押しします。強く信じることができれば、勇気を持って挑戦することができますし、やる気を維持することもできますし、困難な状況が訪れたとしてもそれに耐えることだってできるでしょう。
お悩み解決方法の伝授
結局のところ、カウンセリングにおいてカウンセラーがクライエント様に提供すべき一番大切なものとは、お悩みに対する解決方法の伝授にあると思うのです。そうすれば少なくともカウンセリングで扱ったお悩みと似たような状況を再度経験されてしまったときに、ご自身でそのお悩みを解決することができるようになります。
そしてカウンセリングで扱ったお悩みとは全く違ったお悩みに対しても、カウンセリングで学んだ解決方法を応用して向き合うことができたり、セッションでのカウンセラーとの話し合いの中で得た気づきを活かすことだってできると思います。
利益を得るためには努力も必要です
私としましては、カウンセリングを受けることでクライエント様が得られる一番の利益とは、ご自身のお悩みに対する解決方法の習得だと思っております。もちろん、カウンセリングの目標達成ができれば、そのとき抱えていたご自身のお悩みの解決という利益も得られますね。
カウンセリングで利益を得るための前提として、ひとつだけ覚えておいて欲しいことがあります。それはカウンセリングは魔法ではないということ。お悩みの解決やお悩みの解決方法の習得には、クライエント様の努力が必要であるということは忘れないでください。そのために、カウンセリングの目標達成を信じる気持ちがとても大切なのです。その目標達成を信じることができるよう、カウンセラーは全力でクライエント様を援助します。
なお、カウンセリングのスタイルはさまざまなものがあり、世に存在する全てのカウンセリングがこのようなスタイルで行われるわけではありません。ここまで述べてきたことは、あくまで私の行うカウンセリングのお話であることをご理解ください。興味を持たれた方は、お気軽にご相談くださいね。
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